ページビューの合計

2014年11月10日月曜日

宝塚周辺ハイキングとグルメ



私のかっての教え子のI さんが、グータラ生活をしている私を見かねてであろう、宝塚周辺のハイキングに誘ってくれた。午後からの半日コースで、

宝塚 ⇔ 塩尾寺(えんぺいじ) ⇔ 大平山の手前 (六甲山縦走コースの一部)

の往復コースであった。彼は現在某国立大の教授で、カナディアンロッキィーのアッシニボインに登ったこともあるという山男である。本人はへぼな登山家と謙遜しているが、若いころは岩登りなどをしてブイブイ言わせていたのである。 現在は孫のいる身になって、命がけの登山は自重しているみたいだ。 そんな山男に連れて行ってもらったのである。 



アッシニボイン  3,618m (手前でなく、奥に見える山)
カナディアンロッキーの秀峰。その姿から、カナディアンロッキーのマッターホルンと呼ばれている。

ハイキング日誌を始める。 半日コースで、運動後の夕食が目当てということで、集合は午後2時阪急宝塚駅改札前であった。 

ここですね。 

 
15分前に着いたので、駅周辺を歩いてみた。
JR宝塚駅は、立派なレンガ造りの駅に変わっている。


改札の前は、阪急デパートになっており、そこのお惣菜売り場を覗いて5分前に改札に戻ると、彼はちゃんと待っていてくれたのである。 

宝塚へは、取材のため、というよりセンチメンタルジャーニーで4か月前に行ったことがある。
宝塚南口の武庫山というところに神戸大学の官舎があるのだ。 



30年前に住んでいた宿舎です。 左端の2階にいた。 宝塚散歩 

そのときに、宝塚駅周辺の変貌にびっくりしたのだが、


今回はびっくりしなかったのである。 駅から宝来橋を渡って、細い道を通り抜けアスファルト舗装された道をひたすら登っていく。 ハイキングの準備は一応している、デブの爺さんである。




ひとまづの目標地は塩尾寺である。土曜日であるせいか、行き違う登山者が多いなと思いながら、ゼイゼイ、ハーハーで登っていくのである。宝塚に住んでいたころは、宿舎から甲子園大学を経て塩尾寺にいたる、というのが休日の散歩コースであった。しかし、道すがらは完全に忘れていた。年を取ったんだろうね。 こんなに坂が急だとは思わなんだ。 
Iさんは、歩く歩調を完全に私に合わせてくれる。有難いことである。 くどいが、私はゼイゼイ、ハーハーで、Iさんは呼吸乱れずである。以前大病をしたとは言え、鍛え方が私と根本的に違う。

ここが甲子園大学である。建物も新しくなっている。

 

 
こんな大体育館も建っているのだ。


アスファルトの歩道を登っていくと、えんぺいじ休憩所がある。 やはり、お年寄りにはこの坂はキツイのである。この日、といっても昨日(11月8日)だが、三菱電機の主催による六甲全山縦走大会というのが開催されていたのだった。 後、山道でマウンテンバイクにのったおじさんに伺ったのだが、参加人員が600名だという。道理で、すれ違う登山者が多い訳である。おかげで、数十回山道での決まりあいさつである、コンチワーを繰り返したのであった。オームになった気分である。 


調べてみると、毎年この時期に開催しているようである。 三菱電機の神戸と伊丹の製作所が協賛し開催される、らしい。それにしても、三菱電機の社員で山好きなひとだけで、600名とはなあ。びっくりです。三菱電機の巨大さが推測される。 日本は当分大丈夫です。

途中展望のよい場所に出たので、スナップショット。学校のグラウンドだね。

 
眼下に武庫川が見える。
 
 
途中このような3連の祠があった。 眼を凝らして読むと、左から 

松助大明神、道守大明神、白鷹大明神

とある。なんか由縁がありそうだが、検索しても何もひっかかってこない。塩尾寺への山道にこんな祠があるという記事のみ。後ろの木が倒れているのは、台風18号の影響だと思える。


ようやく潮泉山塩尾寺に到着。 私は、防寒のジャンバーを脱いで汗みずくであった。
ここで、お茶を飲んでしばしの休憩。

 

このお寺は、小さいお寺でWikipediaには掲載されていないが、iTown ページには載っている。


塩尾寺

室町幕府代十二代の将軍足利義晴の時代(15~46年)このあたりに住む貧しい一人の老女が悪瘡をわずらい心身ともに苦しみながらも 月々に中山寺に参り、懸命に信心したところ、ある夜僧侶が夢の中に出て来て「武庫川にある大柳の下(現在の市立宝塚温泉近く)に湧いている霊泉に湯浴みをすれば、病は癒える」と告げて消え去りました。
教えられたとおり霊泉を湯にして身を洗っていたところ、日ならずして病は癒えました。
この老女の願により大柳で「柳の観音』「塩出観音」と呼ばれる観音像が刻まれ、お寺が建立されてのちの塩尾寺となりました。(宝塚市 編集・発行「宝塚温泉物語」より)

鐘つき台である。ついてみたかったが、1つき100円なのでやめにした。


境内には、神仏混淆の影響か、清照大明神の社と鳥居も祀られてあった。造りが新しいので、神社を取り壊して、最近になって移築されたのかもしれぬ。


この塩尾寺からは、土の山道である。しかし、登りの急な坂はしばらくつづく。 ようやく平坦な道も混じるアップダウンの山道になる。


 
 30分ほど縦走路を歩くと、このような標識が立っている。 山道が分岐していて、ゆずりは台に下る道が現れる。 その道へは、降りず左手の大平山へ向かうのであった。


さらに15分ほど歩くと、このように立派な標識がある。六甲山縦走路の33番目の標識である。36番まではあるらしい。



ちなみに六甲全山縦走はこれである。須磨から宝塚まで、これを1日で歩く。昔も今も私には絶対無理。夕方ちかくになると、歩くではなく駆け足ですね。




 
さらに15分ほど歩く。 あんな所に池があるんだね。 と、ここらで水飲み休憩。


さらに縦走路を歩き、適当なところで折り返した。 

道すがらIさんとは、積もる話(そんなものはないが、まあ近況報告である)をしたのである。
私は、退職後のグータラ生活しか報告できなかったが、現役のIさんからは 色んなことを教えて頂いた。 新幹線の鉄橋は、想定外の車両の高速化に強度がついていけず、大幅な改修を行わないと、大事故を起こす可能性がある事。リニヤカーの設置に、巨額の費用を使うより、新幹線のメンテに資金を投じるべきだとの意見である。私も、全く同感であった。 現役の話は、前むきである。退職者の話は後ろ向きである。 若いころは儒教、年取れば老荘思想なのである。
もっとも、その他馬鹿話も一杯したがね。 

1時間ほども山道を下っていくと、日が暮れてきた。秋の日は釣瓶落とし、って本当だなと思う。これは、登りでの展望スポット。午後5時7分の夜景である。


えんぺいじ休憩所には、三菱電機六甲全山縦走大会 GOALの垂れ幕がかかっていた。


自前のでっかいライトスタンド(さすが三菱電機)を持ち出し、宴会の準備をしておりました。


宝塚駅には、5時30分に到着。3時間半の運動で、腹ごなしには充分である。

まあ予定通りで、Iさんの予約してくれたレストラン(というより和風食堂)中庭商店へ向かう。Iさんの招待である。 Iさんは山男であるゆえ、食べるのは好きみたいだが、選り好みはしない。この店を探し出したのは、Iさんの奥様のネットワークによる。様々な婦人のグループに属しているらしい。うちのワイフと同じである。

ワイフは、ボランティアとか体操とか同窓会の集まりとかで飛び回っている。そこが私と違う。私は、この年になって閉じこもりをやっているのだ。情けないことである。



さて、中庭商店であるが、たべログによると、宝塚の隠れ名店であった。地図によると、曲がりくねった道を通っていく。民家のなかの1軒という感じです。でかい看板があるわけではない。
このお店です。この2階がレストランというか食堂。1階は魚屋さん。



食べログの記事は、時に差別的だし妥当とは言えぬのでやめと決心したはずが、またぞろ引用してしまうのである。評点が、3.7 だが 料理・味 4.3 なのである。相当に美味の評価で、正しくその通りでした。 サービス点とか雰囲気点が低いせいで総合評価が低くなっている。

記事の引用(の抜粋): 美桜ちゃん (31) さんの口コミ

1ヶ月前くらいから予約していないと、予約が埋まってしまう人気の隠れ名店です。
1階がお魚屋さんで、2回が掘りごたつで食事ができるお店です。
もともとお魚屋さんなので、その時期で一番新鮮で美味しいお魚料理が食れます。
毎年、蟹の時期には、中庭で蟹のコースを食べに行くのが恒例になっています。
蟹刺し 蟹のてんぷら 焼き蟹 蟹味噌 蟹鍋 雑炊のコースはお腹をぺこぺこにして行かないと食べきれないほどのボリュームです!
とっても新鮮で全てが美味しいです!
お店を紹介すると、とても美味しいといつも喜んでもらえます。


という訳で、我々も時節柄蟹のコースを堪能したのである。

これが突き出し。サーモンの蒸し物、筍の鰹節薄味煮、鯛の子、クラゲ。淡泊な味付けである。


ビールはサントリーモルツ。

出ました。解禁したての松葉ガニの刺身。身のほぐれ方を見てください。芸術的かつ超美味。
本マグロの中トロと赤身は極旨で口の中でとろける。かんぱちは、腹身であってシコシコ感あり。私の好みである。これまた美味。 タイは、鯛の味である。これは、新鮮ならばどこでも味は殆どかわらぬ。
 
 

カニ味噌の焼き物。半分ほどは、そのままで食す。ミソの仄かな甘みが何ともいえぬ。


焼きガニである。炭火で焼くのである。生でも食べれそうであった。焼き上がるとホクホクして、これまた超美味であった。


うわ~。うまい。極楽、極楽である。
大吟醸(らしい)2合とっくりを注文し、どくどくとカニの甲羅にそそぎこんだのである。 ひれ酒は飲んだことがあるが、カニ味噌酒は初めてだとIさんに言ったが、忘れていただけでした。 城崎の旅館で飲んだことがあったのを思い出した。 嘘を言ってすまぬ。 ミソが濃すぎると、うまみは半減するので、ミソは半分くらいが丁度よいのである。 都合2杯もカニ味噌酒を飲んだのだった。 
ごくうま のお酒でした。


カニ鍋をたべるのに忙しく、後回しになってしまったがカニ足の天ぷらも美味であった。
あっさり、つゆでなく塩で頂いた。素材の味を生かしていると思う。あと白身魚(たらかな)の天ぷら。


食べるのと話をするのに忙しく、カニ鍋の写真を撮るのを忘れていた。食べログから写真を拝借する。こんな時、食べログは便利である。

中庭商店 - 料理写真:蟹鍋の具材 でも、画質は悪いね。

具を引き上げて、雑炊にして食べた途中の写真がこれ。 食い散らかしの写真ですまぬ。

 いや~、美味かったです。 満腹。 雑炊を全部食べ切れなかったのは残念。



かくして、店を後にして夜風にふかれながら阪急宝塚駅まで戻ったのである。

 

 Iさんとはここで別れ、またの再会を約したのであった。

運動不足の解消になったうえに、極上グルメを楽しむことができた。 有難いことである。 Iさんには、とても感謝している。

帰りの電車で、宝塚に住んでいるHさんに会った。神戸大の学部長や評議員を務めた方である。研究者としても立派な業績を残している。来年の3月に定年退官するそうだ。Iさんも2年後に退官だし、良く知った方も皆現役でなくなるのだなと、妙に侘しいきもちになる。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

 今回はこれでおしまい。ごきげんよう。

0 件のコメント:

コメントを投稿